「おにわぁ〜〜そとぉ〜〜〜うぐぁっ!!」



 ばらばらばらばら。




「ふぅくぅわぁ〜〜〜〜・・・うちぃっ!!」



 ばらばらばら。




 学校での授業終了後。
 は左手に豆の入った袋を持ち、右手に豆を掴めるだけ掴み、黒板に、机に、イスに。
 力の限り豆を投げつけていた。

「に、にいちゃん・・・何やってんの?」
「今日は俺の世界の日付で2月3日!・・・節分という名の行事なのだよっ!!」

 は、どこからか手に入れた豆を偶然いたスバルに向けて投げる。
 しかも、妙に気合を入れて。

「おにわぁ〜〜そとぉ〜〜〜うりゃあっ!!」

 べしべしべしべし。
 ばらばらばらばら。

「痛い、痛いよにいちゃんっ!!」
「ふははははぁっ、節分とは!鬼に!豆を!投げるものなのだぁ〜!!」

 ふぅくぅわぁ〜〜〜〜・・・うちぃっ!!

 ばしばしばしばしばし。
 ばらばらばらばらばら。

「くそ〜・・・おいらだってぇ!!」
「うわぁっ」

 の手から豆の入った袋を奪い取り、中の豆をひっつかんでに向けて力の限り投げ出した。







    
番外    暴走節分 〜彼の災難〜







「ガクランさん、ヤンチャさん・・・楽しそうですね。なんの遊びですか?」
「ボクたちも混ぜてよ」
「よし、そこにある豆袋を持って、誰でもいいから中の豆を投げつけろ!!」

 わーい。

 マルルゥとパナシェは、嬉しそうに袋を取りに向かった。
 なぜか山のように積んである豆袋を掴みとり、封を開ける。

「おにわぁ〜〜そとぉ〜〜〜うぐぁっ!!」
「「「おにわぁ〜〜そとぉ〜〜〜うぐぁっ!!」」」

 ばらばらばらばら。
 べしべしべしべし。

「ふぅくぅわぁ〜〜〜〜・・・うちぃやあっ!!」
「「「ふぅくぅわぁ〜〜〜〜・・・うちぃやあっ!!」」」

 ばしばしばしばし。
 ばらばらばらばら。







「な・・・なにやってるんでしょう?」
「さ、さあ・・・なにかの遊びじゃないかな?」

 叫び声が聞きつけてやってきた先生2人はその光景を見て、苦笑いを浮かべていた。

「あ!おい、先生たちだ!!投げろォッ!!」
「「「いえっさーっ!!」」」
「「え・・・」」

 2人を見つけたは、指をさして声を上げる。
 スバル、パナシェ、マルルゥ、の4人はすでに少なくなっている残りの豆をひっつかみ、


「おにわぁ〜〜そとぉ〜〜〜うやぁっ!!」

 力の限り投げつけた。

「「「おにわぁ〜〜そとぉ〜〜〜うやぁっ!!」」」

 に続いて3人が豆を投げる。

 ばらばらばらばら。
 べしべしべしべし。

「痛い、痛い!!」
「ふぅくぅわぁ〜〜〜〜・・・うちぃだあっ!!」
「「「ふぅくぅわぁ〜〜〜〜・・・うちぃだあっ!!」」」

 ばしばしばしばし。
 ばらばらばらばら。

「いきなり、何をするんだよ!・・・、みんなも!!」

 いきなり豆を叩きつけられて怒らない人間はいない。
 レックスやアティもそれは同じのようで、レックスは声を上げ、アティはこめかみをヒクヒクとさせていた。


「いやぁ、悪い悪い。実は今日は俺の世界で言う『節分』っていう日でさ。家とか人に豆を投げて、邪気を払う習慣があるんだよ。だから、ミスミ様に豆を分けてもらってこうやって投げつけてるわけ」

 別に気合を入れるつもりは無いんだけどな。

 はそう言って笑う。
 悪気があってやったわけではないとわかると、もともと温厚な2人は、同じように豆を持って投げつけ始めた。














「なかなか、楽しいですね。これ」
「後片づけが大変だけどな」

 それに豆がもったいないし。

 地面には大量の豆が落ち、その真ん中でスバルたち子供組が未だ豆を投げつづけている。

 元気だな、と思いつつ、は3人に声をかける。

「おーい、もうやめてくれぇ!片づけが面倒だから」
「「「えーっ!!」」」
「3人で片付けてくれるならやっててもいいけど・・・」
「「「いやです」」」

 見事な言葉の誘導だ。レックスは子供の特性、もとい彼らの特性を完璧に理解している。
 毎日授業を行っていたたまものだろう。
 3人は、レックスの誘導でぴたりと豆まき・・・もとい豆ぶつけをやめてしまった。

 ここは、俺たちで片付けておくから、と先生2人が学校の片づけを引き受けてくれたことに礼を言うと、はゆっくりと腰を上げて、


「よし、じゃあ次行くか。次は・・・」





   
どこへ行く?

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