「来たよ〜!!」
「いらっしゃい。めずらしいですね、君たちがここに来るなんて・・・」


 サプレスの集落・狭間の領域へとやってきた。
 ちょうど入り口にいたフレイズに声をかけると、そんな質問が返ってきた。


「ボクたち、豆をまきにきたんです」
「???」

 唐突にそんなこと言われてもフレイズにわかるわけも無く、結局が今日は彼の世界で言う『節分』の日だ、と簡単に説明することになってしまった。



「貴方の世界には、変わった風習があるのですね」
「まぁ、気休め程度だけどね」

 はフレイズにそう返すと、はははと笑った。





「「「おにわぁ〜〜そとぉ〜〜〜うらぁっ!!」」」


 ばらばらばらばら。



「「「ふぅくぅわぁ〜〜〜〜・・・うがぁ!!」」」


 ばらばらばらばら。






「・・・うるさいですね」
「すいません」
『わぁ、ずいぶんと楽しそうなことをやっていますねv』

 フレイズがこめかみを引きつらせながらに言う。は言い切ると同時に頭を下げた。

 すいません、すいませんとが頭を下げている間に、周囲に微笑を振りまきつつファリエルがやってきた。
 フレイズは彼女の姿を確認すると、不機嫌だった表情を和らげて彼女に駆け寄る。


 が先ほど話した内容を聞かせると、彼女は

『わあ、おもしろそうですね。私もやっていいですか?』
「べ、別にいいけど・・・」
「ふぁ、ファリエル様・・・」

 ファリエルは光を発してファルゼンの姿になると、豆袋を一袋握る。しかし、力が入りすぎてぐしゃりと握りつぶされ、豆はこなごな。
 そんな行為を数回やってから、ファリエルは鎧の姿から戻ると、

『どうしても力が入りすぎて袋ごとつぶれてしまいます〜・・・』

 残念そうにつぶやいた。















「ゲレゲッ、ゲレ、ゲレレレ〜ッ!!」

 3人がしばらく豆を投げていると、茂みから召喚獣が一体、姿をあらわした。

「ゲレゲレゲレ、ゲゲ、ゲレレ〜ン!!!」
「お前たちうるさいぞ。妙なことてんじゃねえ、と言ってますね」
「え・・・」




「「「おにわぁ〜〜そとぉ〜〜〜うりゃっ!!」」」

 ばらばらばらばら。
 べしべしべしべし。


「「「ふぅくぅわぁ〜〜〜〜・・・うちゃっ!!」」」

 ばしばしばしばし。
 ばらばらばらばら。




 3人は、面白がって召喚獣に豆をぶつけている。しばらくした後、その召喚獣はプルプルと震え始めた。

「ゲレ・・・ゲレゲレーッ!!」
「「うわぁっ!?」」
「ひゃあっ!?」

 召喚獣は、血管(血管なんてあるんだ・・・)を浮かび上がらせ、光り始め、雷を発生させた。

「「「にいちゃん(おにいさん・ガクランさん)っ、助けてぇ〜っ!!!」」」

 3人はのところまで走ってくると、彼の背後に隠れた。


「お、おい・・・ちょっと・・・ま・・・」




  どかーんっ!!
  バリバリバリバリっ!!




「うっぎゃああぁぁぁぁぁ・・・っ!?!?」





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