「ふわぁっ・・・」
「にいちゃん、なにあくびなんかしてんだよぉ」

 母上のとこに行くぞっ!

 スバルは屋敷を指差すと走り出した。



















「う〜ん、今日も茶がうまいのう・・・」
「そうじゃのう・・・おや、スバルたちが戻ってきたみたいじゃな」

 ミスミは、キュウマとゲンジの3人で縁側で茶をすすっていた。
 のどかな一日。鳥の鳴き声がさえずり、平和であることを告げる。



「母上っ、キュウマ!!」



 ばんっ!と障子を勢いよく開き、握っていた豆を投げつけた。





「おにわぁ〜〜そとぉ〜〜〜うばぁっ!!」

 ばらばらばらばら。
 べしべしべしべし。


「「うわぁっ!?」」
「・・・っ!?」


「ふぅくぅわぁ〜〜〜〜・・・うまぁっ!!」

 ばしばしばしばし。
 ばらばらばらばら。


「な、何をするのじゃ。いきなり・・・」
「これは・・・豆?」
「いたたた・・・そういえば、が『今日は節分だ』などと言っておったな・・・」
「「せつぶん?」」

 シルターン生まれの2人でも、節分の存在は知らなかったらしく、ゲンジは得意げに話しはじめた。




「元々節分とは、立春、立夏、立秋、立冬の季節の変わり目を・・・」
「おにわぁ〜〜そとぉ〜〜〜うばぁっ!!」

 ばしばし。
 ぱらぱら。

「す、スバル〜・・・」

 さすがに怒ると怖いゲンジにはパナシェやマルルゥは豆を投げる気にはならないらしい。
 おどおどと、スバルとゲンジを交互に見て冷や汗をかいていた。

「家の至る所に豆を投げて邪なものを払う・・・」
「ふぅくぅわぁ〜〜〜〜・・・うらぁっ!!」

 ばしばし。
 ぱらぱら。

「さすがにマズイですよう・・・ヤンチャさん・・・」

 さすが元先生、節分の由来を話して聞かせようとするが、そこへスバルから豆が投じられ話が止まる。




「あのっ、ごめんなさい。あ・・・」

 タイミングが悪かった。
 送れて屋敷に入ってきたは、プルプルと震えているゲンジを見て顔を引きつらせる。

「お、おにわ〜・・・そと・・・ぉ・・・」
「こんのバカタレがぁーーーっ!!!」
「「「「!?!?!?!?」」」」

 額に血管を浮き上がらせ、ゲンジは爆発した。
 その矛先は・・・子供たちに豆まきの方法を教えただった。本当にタイミングが悪い。

「お前がこの子たちに豆まきを教えたんじゃろう!?変な掛け声を教えおって・・・」
「ひぃぃ〜〜っ・・・ミスミ様、キュウマ・・・助けてぇ」
「自業自得じゃな」
「自分もまったく関係ありませんので」

 聞いておるのかっ!?
 ゲンジの怒号には思わず背筋を伸ばす。

「お前は人間のできた男だと思っておったのに・・・うんぬん」















 その後、は数十分に渡ってゲンジに叱られつづけたのだった。


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