『一度、島に戻ってこない?』

 通信機がなり始め、孤児院の外に出てから数十分。は延々とお説教を聴かされていた。
 遠い場所にいるはずの彼女の声にげんなりしつつ聞いていたら、こんなことを尋ねられた。

 20年経過しているのだから、戻って無事を伝えるのが普通なのだが・・・

「まだ、無理だ」
『なんでっ!?』
「実は、ユエルがいなくなっちゃってさ。見つかってから戻るよ」

 当たり前だが、ユエルがいないことは知らなかったらしい。彼女はユエルが近くにいると思っていたのだろう。驚愕したような声が、スピーカーから漏れていた。
 がいなくなった経緯を話して聞かせると、

『あの子の元気な声が聞こえないのはそのせいね・・・それじゃあ、こっちでもできる限り調べてみるわ』

といった返事が返ってきて、とりあえず無事を伝えるとため息を吐くように言うと、通信を切った。
 ふう、と息を吐いて、

「まいったな〜・・・20年か・・・」

 ひとりごちて頭を掻いた。





    
サモンナイト 〜築かれし未来へ〜

    第04話  改めて





「はぁ・・・」

 扉を開いて広間へ入る。
 広間にはフラットのメンバーのほかに、子供たちが3人。人質にとられていた緑髪の少女もそこにおり、を見て笑みを見せた。さらに、同じ年頃の男女が2人ずつと子供たちと戯れる赤い髪の少女が増えていた。

「あ、戻ってきた」
「にいちゃん、おかえり!」
「・・・・・・」

 子供たちが口々に声を発し、赤い髪の少女がを見て微笑んだ。

「おかえりなさい、お話はもういいの?」
「え、あぁ、一応・・・ええと・・・」
「あぁ、ごめんなさいね。私はリプレ」

 よろしくね、と手を出す彼女に、は名前を名乗って出された手を握った。
 そして、子供たちの自己紹介を聞いたところで、4人の男女へ目を向ける。

「はじめまして。俺は だ。よろしくな」

 にっこりと笑う。

「僕はキール。早速だけど、君はあの4人と知り合いって聞いたけど、本当かい?」
「彼らがそう言ってるなら、そうだと思うけど」
「カシスだよっ、キミを召喚した人間はいないって・・・ホント?」
「あぁ、まあね」
「俺はソル。帝国領の島に召喚されたっていうのは、どういうことだ?」
「そのままの通りだよ。帝国領海に浮かぶ島に召喚されたんだ。はぐれとしてな」
「クラレットと申します。どのように召喚されたか、聞いていいですか?」
「うーん、公になってるわけじゃないから、簡単には話すわけにはいかないんだ。ゴメン」

 自己紹介をおりまぜつつ質問をしていく4人の召喚師たち。は、律儀にそれに答えていく。
 ちなみに、さっきまで話していたのも島の住人の1人だよ、と付け加えて話した。

 詳しいことを話していないこともあってか、4人はそれぞれ考えるしぐさをして、

「詳しいことがわからないと、なんとも言えないな」
「そうだな。昔、そういう話を聞いた記憶はあるけど・・・」
「あたしたちはあっちのことだけでいっぱいいっぱいだと思うし〜」
「カシス・・・その言い方は良くないですよ?」

 口々に言った。

 聞いたことがある、と言ったソルの言葉が気にかかるが、は頭の隅に追いやる。
 さらに、カシスの言葉に、

「・・・無責任だな」

なんてガゼルがつぶやいているが、彼女はお構いなし。











「ゴホン・・・とりあえず!」



 場を正すようにレイドが咳払いをして声を出す。
 がやがやとした喧騒が静まって、彼に視線が集中する。

「とにかく、この場は解散にしよう。4人もと話したいだろうし」
「「「「レイドさん・・・」」」」
「君たち5人は、これからフラットの仲間だ。よろしく頼むよ」

 レイドが笑みを向ける。
 お世話になります、とみなに頭を下げると、4人もそれに習った。













『改めて、フラットへようこそ!!』











 歓迎の言葉が、孤児院に響き渡った。









第04話でした。
短いッ、その上誓約者’sしゃべってネェッ!!
・・・ごめんなさい。取り乱しました。
誓約者’s、ホントにセリフないですよね〜。
読み返してみてつい、ため息をついてしまいました・・・





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