先陣を切ったのは、修学旅行で編み出した自身への魔力供給をかけたネギだった。
 右手には簡易杖を握り締めて、彼の身体が淡い光に包まれ、同時に地面を蹴りだす。
 常人の域を超えた速度で、両手のみに光を帯びたアスカを肉薄する。
 対するアスカは目を細めて、慌てることなく彼を見据え、拳を握った右手を引いた。
 まず初撃は。

「あああっ!!」
「んっ・・・!」

 気合いのこもった声と共に、互いの拳が見事に真正面から衝突した。
 乾いた音が響き、発生した風が2人の顔を吹きつけた。
 ネギの表情には必死さが宿っているが、対するアスカにはネギとは真逆な表情が浮かんでいた。

「アスカのヤツ、笑ってやがる」

 明日菜の肩で戦況を見守っていたカモが呟いた。
 ネギと拳をあわせるアスカの気持ちはギャラリーとして見ている面々にはわからない。
 だからこそ、彼が笑っている理由を図りかねていた。

 息を吸い込むようにゆっくりと拳が離れて、互いがさらに一歩を踏み出す。
 続いて展開されたのは、息をつく間もない乱打の応酬だった。
 目にも止まらぬ拳が交差し、ギャラリーの耳に音だけが届く。
 彼女たち、特に魔法の存在を知らないままでいるまき絵とアキラは、いくら弟子入りのためとはいえ、ただ殴りあうだけだと考えていた。
 しかし、その目に映っていたのは、紛れもない達人たちの戦いだった。
 激しくも見惚れるような、自分たちとはまた違った世界を見ているようにも思えた。

「…………」

 そんな光景に、亜子はポケットに忍ばせていた魔法の杖に手を添えていた。
 自分を守って戦う彼が、今のようにずっと……笑っていられるように。



  
魔法先生ネギま! −白きつるぎもつ舞姫−
  
強くなるために



 戦況を動かしたのは、必死な表情を前面に押し出していたネギだった。
 握られていた拳が解放され、繰り出されるアスカの拳にあわせて受け流す行為が多くなってきていた。
 天性の才能が経験のない彼を支え、たった2日間の特訓の成果に上乗せられ、アスカと対等な立ち合いを繰り広げる。

「うまいっ!」

 思わず声に出していたのは古菲だった。
 繰り出された拳をネギがいなし、同時に死角へ回りこんで、腰を捻る。
 中国拳法の極意、カウンターの前触れだった。
 ネギが繰り出すは、彼女との訓練の中で最初に身に付けた一撃。
 その一撃を。

 八極拳 転身胯打てんしんこだ――!!

 躊躇することなく、アスカの後頭部へと放っていた。
 しかし彼は慌てた表情もなく、受け流されて不安定な体勢のまま、身を屈めた。

「っ!?」

 放った裏拳は、彼の頭上を越えて空振る。
 まるで背中にも目がついているかのように……否、ネギが攻撃に転じると理解して、あのような行動をとったのだ。
 無論、攻撃したネギも驚きを隠せない。
 経験のある者とない者の差が、そこにはあった。

「ほらほら、驚いてる暇はないんじゃない?」

 そんな時、かけられた一言。
 同時に、アスカは両手を地面について下半身を浮かび上がらせると、腕と足を曲げて、力を溜める。
 その光景に、ネギは戦慄した。
 躱しきれない、と本能が告げていた。
 繰り出されたのは、実戦で鍛え上げられた腕力に脚力が上乗せされた、大砲のような蹴撃。
 魔力供給で身体を強化していなければ、あっという間にスプラッタだっただろう。
 ネギは目を見開いて、顔の前で腕をクロス。典型的な防御の型だ。
 対応が早かったからか、アスカの蹴撃はクロスされた腕を見舞う。
 もちろん、ネギの小さな体がその衝撃に耐え切れるわけもなく、背後へと吹き飛ばされた。

「うぐ……っ」

 倒れることは防いだものの、体勢が苦しいことには変わりはない。
 両足を地面に噛ませて勢いを殺すが、攻撃に転じることはできないのは明白。
 アスカももちろん、それを見逃すことはしない。
 珠のような汗を浮かべて、それでもなお表情には笑みを浮かべたまま、地面を蹴りだした。

「あ、ネギ君危ないっ!!」
「ネギ君っ!!」

 裕奈とまき絵が声を上げる。
 しかし、その隣で古菲は笑みを浮かべていた。
 ネギがとっていた行動は“誘い”なのだ。
 わざと体勢を崩し、攻撃に転じることができないことを敵にアピールし、追い討ちをかけさせる。
 格闘技の師である古菲は、自分からの攻撃よりもまず攻撃の確実性を取り、カウンターを伝授したのだ。

「いや、作戦通り! あれは誘いアル!!」

 だからこそ、攻撃を誘う姿が教えたとおりだと見ることができた。

 初手とは逆に、アスカがネギを肉薄する。
 利き腕である右手を構え、赤い瞳を輝かせて、今だ動きのないネギに迫る。

「誘い!?」
「うむ!!」

 しかし、両足に力を込めたネギに気づき、アスカは目を見開いた。
 2人の距離がゼロとなり、アスカは拳をネギへと放つ。
 繰り出された一撃をネギはその目に映し、今までのように両の手で受け流す。

 八極拳 六大開ろくだいかいちょう」―――

 左手でアスカの手首を握り締め、自分の元へと引き寄せる。
 同時に右足を踏み出し、右ひじを突き出す。
 今回の弟子入りテストに合格する必勝の策として伝授された一撃――!

   攉打頂肘かくだちょうちゅう――!!

 まさに銃弾のような速度の一撃が、アスカを見舞った。
 しかし。

「ん……っ!」

 彼もまた、卓越した1人の戦士なのだ。
 幾多の戦場を駆け、数多の戦いを制してきた。
 格闘技暦たった2日のネギとは…………次元が違う。
 引き寄せられて不安定なまま、身体を捻る。繰り出された肘の勢いは左手で緩和され、つい今しがたの彼の行動と同様に二の腕を掴む。
 掴み掴まれの状態で、アスカは。

「そりゃああぁぁぁっ!!」

 気合の篭った雄叫びと共に腕を掴んだ左手を始点にして、

「うわぁっ!?」

 ネギに掴まれたままの右手を振り上げ、

「な」

 古菲の驚きの声を横目に、ネギの身体がアスカの左手を視点に回転、宙を舞い、

「ええぇぇいっ!!」

 力の限り、投げ飛ばされていた。
 地面と平行にネギは超低空飛行し、地面を転がり、止まった。
 彼は起き上がることなく、動かない。
 勝負は決した、と判断しても過言ではない状況だった。
 髪を靡かせて立ち尽くすアスカは、その光景を眺めて目を閉じる。
 泣き虫だった彼が戦いの場にいることを嬉しく思う自分がいる。しかし、笑みは自然と消えていた。
 たった2日という短い期間で、彼は自分と対等に戦えるまで強くなったのだから。
 そして。

(まだ、だよね。ネギ?)

 拳をあわせた中で彼の覚悟と、そしてひたむきさを感じ取ったから。
 まだ、臨戦態勢を解くつもりは毛の先ほどもなかった。

「まぁ、こんなところだろう。残念だったな、ぼーや。だが、それが貴様の器だ」
「ネギッ!」
「ネギ君ッ!?」

 エヴァの声をよそに、ギャラリー席から明日菜とまき絵が階段を駆け下りていく。
 それを制止したのは、つい今しがたまで彼と拳をあわせていたアスカだった。
 片手だけを真横に伸ばして、顔を向けることもなく、彼は告げる。

「まだだよ、エヴァさん。まだ……終わりじゃない」
「……なんだと?」

 その言葉と同時に、動くことのなかったネギの手が動きを見せる。
 ゆっくりと、スロー再生しているかのように立ち上がると、汗の滴る顔に笑みを貼り付けた。
 身体は意思とは関係なく震え、息も荒い。
 本来ならこれで終わりにしても誰も文句を言うことはない。
 しかし。

「まだです。まだ、僕はくたばってませんよ。エヴァンジェリンさん」
「何を言ってる。勝負はもうついたぞ。ガキは帰って寝ろ」

 立ち上がるネギを見て、呆れたかのようにしっし、と手を振るエヴァ。
 そんな彼女に、ネギは笑みを浮かべる。
 ……彼女は、思いっきり甘く見ていた。
 ネギの覚悟を、ネギの真剣さを。そして、あきらめの悪さを。

「条件は『僕がくたばるまで』ですよね。それに、時間制限もなかったと思いますけど?」
「な、何っ!? まさか、貴様……っ」
「ヘヘ、そのとおり。一撃当てるまで、何時間でも粘らせてもらいます」

 アスカにはバレバレだったみたいだけど、なんて苦笑しつつ、ネギは再び構えを取った。

「ネギ」
「アスカ……お願いだよ。手加減はしないで欲しい」

 家族なら、止めるべきなのだ。
 ここで先ほどまでと同じように戦えば、彼はただのサンドバッグ。
 さすがに死にはしないだろうが、どれほどのケガを負うかすらも予想はできない。
 わかっていたとはいえ、内心ではアスカもつらいものがある。

「ここから先、君は手も足も出ないかもしれないよ。ヘタしたら体の良いサンドバッグにしかならない。それでも……いいんだね?」

 ある意味で死の宣告、とも言えるだろう。
 そんな問いにネギは、小さくうなずいて返して見せた。

「やあぁぁぁっ!!」

 不意をつくかのような速い箭疾歩せんしっぽ
 しかしその速さは先ほどとは比べようもなく、遅い。

「長期戦はマズいアルよ! それに、いきなりスピードがガタ落ちネ。どしたアルか?」
「それは、契約執行が切れたから……」

 明日菜の言うとおり、自身への契約執行が時間切れとなってしまったのだ。
 魔法による補助がなければ、彼は子供と変わらない。並の大人よりも運動神経があるだけの、ただの子供だった。
 だからこそ、アスカはそんな一撃を片手であしらえてしまう。

 ここから先は、アスカが危惧していた通りの展開となっていた。
 拳を放てば顔面にクリーンヒット。身体を屈ませればゼロ距離から腹部へ強烈な一撃。
 アスカの間合いに入ればいとも簡単に吹き飛ばされる。
 まさに、サンドバッグ状態だった。
 時刻は流れ、すでにテスト開始から1時間が経過していた。いくら防御に魔力を集中させているとはいえ、端から見ればアスカが一方的にネギに暴力を振るっているようにしか見えない。
 それに、限界だってすでに近い・・・いや、すでに超えているのかもしれない。

「お、おいぼーや……もういいだろ。お前のやる気はわかったから……な?」

 そんなエヴァの声も、きっと彼には聞こえていない。
 腫れ上がった顔で目の前の大きな壁アスカだけを見据えて、戦う姿勢を崩すことはなかった。
 力強く足を踏み出し、拳を繰り出す。
 しかし、アスカはそれを防ぎ、彼の頭上から。

「ぐ……っ」

 拳を叩きつけていた。

「ひゃあっ……!」
「せんせもアスカも、もうやめて――!」

 ひときわ大きな音に、木乃香はすでに耳を塞いでいた。
 目尻には涙すら浮かんでいる。
 それほどに、もはや見ていられない状況となっていたのだ。
 そしてその隣では、同様に涙を浮かべた亜子が声を上げていた。
 ネギの今の状態と、彼のあまりの容赦のなさに。

「なんで……あんなにがんばるんだろう」

 裕奈のそんな呟きも、ネギが殴られる音でかき消された。

「……もう見てらんない。止めてくる!」

 そんな中、明日菜は1人カードを取り出してギャラリー席から飛び出そうとしていた。
 このままでは、取り返しのつかない状況になるかもしれない、と。
 まだ完成すらされていない少年が、壊れてしまう、と。

「ダメ!」

 しかし。
 そんな彼女を、まき絵は両手を広げて止めていた。
 目尻には涙を溜め込みながら、必死で。

「ダメだよアスナ! 止めちゃダメ!!!」

 そんな声が、ひときわ大きく響き渡った。

「まき絵……」

 必死に拳を突き出すネギを尻目に、アスカはギャラリー席へと視線を飛ばす。
 自分でもひどいと思えるこの状況。
 明日菜はそれを止めようとしているのに、まき絵はそれをよしとしなかったのだ。

「で、でもっ! あいつ、あんなにボロボロになって……あそこまで頑張ることじゃないよ! それに……アスカも!」

 ネギと彼は、家族なのだ。
 そんな大切な存在に、よくもまぁここまで酷いことができたものだと。
 今の状況で、誰もがそう思うだろう。
 考えたことを真っ直ぐ口に出す明日菜も、それは同様で。

「見損なったわよ! なんでネギにあそこまで暴力振るえるワケ!?」

 少なからず、アスカに対して敵意すら向けていた。
 それが感じ取れて、アスカ本人の表情に翳りがさす。
 この場所でできた大事な友達に、悲しい思いをさせているのだから。

「ここで止める方が、ネギ君にはひどいと思う。だってネギ君、どんなことでもがんばるって言ってたもん!」

 先日からの一連の特訓の中で、まき絵なりに思うところがあったのだろう。
 溜め込まれている涙はそのままに、彼女は自分に宿った思いを吐き出していた。
 その背後でネギは果敢にアスカへ向かい、奮闘している。
 しかし、元々勝ち目のない戦い。しかし彼は、あくまで1つの目的のために今も奮闘しているのだ。
 彼女は一番長く、一番近くで見つめていたからこそ。

「ネギ君は大人なんだよ。子供の意地っ張りでここまで一生懸命にはなれないよ」

 彼は自分のような子供とは違うのだと理解させられた。
 5年も早く生まれたというのに、だ。それなのに、彼と比べたら自分はまだまだ子供なんだと認識させられてしまった。
 外面だけなら、まだまだ子供だと言えるだろう。

 目的があって、その達成のためなら自分の全部をぶつけて頑張る。

 そんな彼の内面に触れたからこそ、『かっこいい』と思えたのだ。

「上手くいえないけど……やっぱり、ネギ君は大人なんだよ。目的持って頑張ってるから。だから、今は止めちゃダメ」
「まきちゃん……」
「それに、アスカも……やりたくてやってるわけじゃないと思う。さっきまで……ネギ君が投げ飛ばされるまでは嬉しそうに笑ってたけど」

 その先。
 ネギの契約執行が切れてからの彼の表情が、とても痛々しいものに変わっていたことを、彼女は見逃してはしなかった。

「アスカはとっても家族思いなんだよ」

 大切な家族を傷つける。
 それがどれほど痛いのか。家族に囲まれて育ってきたまき絵にはわからない。
 でも、それが計り知れないほどにつらいコトなのは、いくらバカピンクとか言われているまき絵でもわかる。
 大切な人が目の前で傷つくことを想像しただけでも……心が痛む。

「まき絵……」

 自分に背を向けて思いを告げたまき絵を見て、アスカは驚いていた。
 大切な家族を傷つけているのだから、人でなしと罵られてもおかしくはない状況なのにまき絵は、ネギだけじゃなく自分も見ていたということに。
 自分の気持ちすら理解してくれていた上で、明日菜を止めてくれたということに。
 と、そんな時だった。

 ぺちん。

「……え?」

 頬に軽い衝撃。
 アスカは、ボロボロなネギに、殴られていた。

「あ、当たっ……た」
「な」

 エヴァの驚く顔が見え、同時に身体に圧し掛かる小さな身体。
 力尽きて倒れこんだネギだった。
 彼の肩を支えて、自分がつけた傷だらけの顔を覗きこむ。

「お疲れ……それと、ごめんね」

 ギャラリーたちの顔に、笑顔が宿った。

『やったーっ!』
『ネギくーんっ!!』
「こら神楽坂飛鳥、貴様手を抜いたな!?」
「じょ、冗談じゃないよ! 本気だったに決まってるじゃないか!!」
「あ、そうだ。アスカに話があるんよ?」
「は?」
「なぜ女装までして麻帆良学園に転入してきたのか、聞かせてもらいたいのですが」
「あれ……このかも刹那も、なんでそのこと知って……」
「何言ってんのよ。アンタが自分から暴露してたんじゃない」
「ま、またまたぁ。アスナったらなに言って…………ハッ、しまったあぁ―――――ッ!!!」

 ……気づけよ、自分。


 ●


 空が白み、人々が目を覚まし始める時間帯。
 力を出し尽くしたネギがようやく目を覚ましていた。
 大きく腫れた頬や額に応急手当として貼られたガーゼが痛々しい。
 鼻にかけられた小さな丸メガネにも、ヒビが入ってしまって使い物にならなくなってしまっていた。

「あ、あれ……?」

 彼の視界に最初に飛び込んできたのは、まき絵と明日菜の顔だった。

「ぼ、僕……テストは?」
「大丈夫よ、ネギ」
「合格だよ、ネギ君♪」

 そんなまき絵の一言を聞いて、力なく笑って見せた。
 合格。つまり、あれほど強かったアスカに一撃見舞わせた証なわけで。

「あ、アスカは……?」

 そんな一言を漏らしていた。
 それを聞いた明日菜は、「自分よりもアスカが心配?」などと口にしながら、軽く笑った。
 彼の心配ももちろんだろう。いくら自分が戦うことを躊躇していた自分に、彼は自身の秘密を露見させてまで説得してくれたのだから。
 まき絵に古菲にアキラに木乃香に刹那に、そして明日菜にバレてしまったのだから。

「アスカならあそこだよ♪」

 まき絵が指差した先を軽く見やると。

「ああああ僕もぉ色々ダメな気がしてきたよっていうか尊厳とかいろんなものが消えていくよーあははー…………ぶつぶつ」
「アスカ。ほれ、元気出し。ウチのおやつ分けたげるから……って、ネギ君目ぇ覚めたんやねー」

 OTLな体勢でふるふると身体を震わせながら、ぶつぶつとなにかを呟いていて、そんな彼を亜子がバナナを手に慰めている姿が見えた。
 慰め方がなんだか複雑だが。
 それを見て苦笑して見せたが、それもすぐになりを潜めて。

「あ、あの……アスカは」
「わかってるわよ。大丈夫。追い出したりしないから」
「そーそー。アスカは大事な友達だからね」
「あ……」

 そんな一言に、ネギは嬉しそうに笑った。

「ネギ坊主、よくやたアルよ。さすが我が弟子」
「スゲーよネギ君!」
「ウチ、ご褒美に美味しいご飯作ったげるからなー」

 ネギが目を覚ましたことを確認し、ギャラリーとして一部始終を見ていたクラスメイトたちが続々と集まってくる。
 身内を相手に、格闘技暦たった2日の彼が一撃当てたのだから、その姿に見直さないわけがない。
 彼女たちに自分は大丈夫だとアピールした後、

「まき絵ふあんも、てふと……がんばってくらさい……」

 ネギはまき絵の顔を視界に映して、その日の昼に行われる選抜テストのエールを送った。

「うん、任せて! ネギ君!!」


 ……


「あああきっと僕はきっときっと簀巻きにされて貨物船に乗せられて貨物船沈んで身動き取れないまま最期を遂げんだあー」
「そんな縁起でもない妄想したらアカンよ。ほらほら、ウチのオヤツ分けたげるから、アッチの世界から戻って来ーや、な?」
「亜子……バナナはオヤツに入らないよ」
「そーなん? じゃあ……リンゴならええかな、アキラ?」
「う、う〜ん……」

 アスカが何をされたかは、また別の話である。





攉打頂肘がHTMLで正常に表示されなくて焦りました。
Unicode文字なるものをらしいのですが、ネットを駆使してなんとか表示できました。
・・・できてますよね?


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