「あぁ、それで刹那はあんな行動とってたんだねー」 「そーなのよー」 はっはっは。 班別行動を終えてホテル嵐山に戻ってくると、明日菜と刹那はアスカを交えて輪になって談笑していた。 もっとも、内容は昨日晩のことなのだけど。 朝食時はアスカもきりきり舞いだったし、班自体一緒ではなかったので話す機会がなかったというのがこんな時間になってしまった理由だったりする。 詳しい内容は、単行本をお読みくださいv(by 管理人) 「護衛するなら『影から』じゃなくて、このかの隣りで友達として守った方がいい気がするけど」 「それは私の心構えの問題で……って、今はそれはいいのです! それより……」 班別行動はいかがでしたか? そんな刹那の質問に、アスカは満面の笑みを浮かべて。 「うん、もー最高だったね。大仏とか、大仏とか、大仏とか」 「大仏だけなのね……」 そんな明日菜の突っ込みはもちろんスルー。 アキラが鹿煎餅を買っていたのを見て、自分が食べるものと勘違いして思わず口にしてしまったことは内緒である。 裕奈とか亜子に思いっきり笑われた。 「……でさ。ちょっと聞きたいんだけど」 「なによ?」 首をかしげる明日菜から視線をはずして、公衆電話の前でアホみたいに口をあけて放心しているネギを指差した。 魔法先生ネギま! −白きつるぎもつ舞姫− 告白と超特大 「うそっ、のどかがネギに告白したぁっ!?」 それは、昼間。 奈良公園での出来事だった。 朝食終了時のネギ争奪戦に見事に勝利したのどかを含む5班とともに彼も観光していたのだけど。 まるで彼女をけしかけているかのように明日菜を遠ざける夕映とハルナ。 特に他意はないのだろう。ただただ刹那と仲良くしたいがために団子を買って彼女に迫る木乃香。 そんな3人の介入のせいか、観光し始めたとほぼ同時にネギとのどかのツーショットが完成していて。 しばらくは2人で観光していたのだけど、のどかは焦って空まわり。 失敗続きで一度は離脱してしまったものの、偶然出くわした明日菜と刹那に愚痴を聞いてもらって元気を取り戻すと再び舞い戻って。 「私、ネギ先生のこと出会った日からずっと好きでした! 私……私、ネギ先生のこと大好きです!!」 告白した。 その後でネギの頭の中がいろんなことが重なったせいかスパークしてしまい、知恵熱で倒れてしまう始末。 介抱するも、結局はそのままホテルへ戻ってきてしまったとのこと。 つまり、今現在アホ面で頬を真っ赤に染めているのは、そんな経緯があるとのことで。 「……そっかー、やっぱりね」 「なに、アンタ知ってたの!?」 「知ってたって……今までののどかの反応を見てればなんとなくわかるよ。前にのどかが引っ込み思案な上に軽い男性恐怖症だってハルナと夕映に聞いたことあるし」 というか、それは修学旅行の前日。 学園長に木乃香の護衛を頼まれた帰りに2人に捕まって話を聞かされていたのもアスカがのどかのことを知っていた理由の一つだったりする。 自分が彼女の恐怖の対象であることはあっさり無視されているが。 「う〜ん…ついにネギにも春が来たか……」 口元に手を当てて、どこか遠い目をするアスカ。 「で、それはこの際どーでもいいのよ」 「む……」 しかし、明日菜はそれを見事に両断し、アスカに迫っていた。 「桜咲さんから聞いたわよ…えーっと、なんとかの書?」 「七天書です」 「そーそー、それ! なんかヤバいんだって?」 刹那に助言されながらも、そう口にする明日菜の表情は真剣なものだった。 それは、鍋パーティを終えて早々に寝てしまったために今まで聞きそびれていた事柄だった。 話しちゃったんだ、と軽く刹那を見つつ一息つくと、 「ま、アスナもあの時『赤い少女』と遭遇したわけだし……話してもいいか」 なんて言っているが、大まかな内容は刹那が話してしまっているので隠しようがない。 というわけで、先日学園長と話した内容を明日菜と改めて刹那に話して聞かせたのだった。 「あらー、なんか悩んじゃってるなー。10歳の少年には告白はちょっとショッキングだったかな」 『麻帆良パパラッチ』こと朝倉和美はクラスメイトから依頼された、“ネギに告白した相手”を探っていた。 もっとも、彼女自身すでに知っていたことだったので、その問題もただ話してのどかが顔を真っ赤にして誰にも話さないでって言われて解決…ってかこんなんじゃ解決も何もあったモンじゃないわけだけど。 そんな中でフラフラとホテルを出て行くネギを見やって、苦笑していたのだけど。 「ん?」 なにかスクープでも落っこちていないかとネギを追いかけた矢先。 事件は起こった。 「おい兄貴、アレ!!」 「え……!?」 ネギは瞠目した。 カモの指した先で、道路の真ん中で座り込んでいるネコが車に轢かれそうになっていたのだから。 車は四輪駆動のワゴン車で、一般の家庭にもある普通の車だ。 彼は慌てて道路へ飛び出していく。 本来ならすでにどうしようもなく、車が通り過ぎるのを待つはずなのだけど。 「ラス・テル・マ・スキル・マギステル!!」 しかし、ネギはネコを抱き寄せたところでトラックはすでに目の前。 自らの魔法の始動キーを口ずさみ、 「風花!」 (しっ、死んだーーー!?) そんな和美の考えとは裏腹にネギは地面にしっかと足をつけると、 「風障壁!!」 (ネギ先生ーーーっ!?) 次の瞬間。 バンッ!!! 車は、宙に浮き上がっていた。 まるで何かに持ち上げられたかのように宙で縦に一回転。 その後、何事もなかったかのように道路に降り立ったのだった。 「よかった。無事で……」 腕の中で鳴くネコを見て、ネギは汗を拭うことなくやんわりと笑いかけている。 (な……なぁにぃ〜っ!?) 次に車の運転手の安否を確認していたが、運転手は何が起きたのかまるでわかっていないような表情をしている。 その後カモと数度言葉を交わすと、杖に跨って飛び去ってしまった。 (きっ……) ……ついにめぐり合った。 待ってた。 こんなスクープを、私は待ってたの!! (ききっ…来たぁーーーっ!! 超、特大スクープ!!) 和美はネギの飛び去った方向を見つめて、滝のような涙と共にグッ、とガッツポーズを決めたのだった。 はい朝倉にバレました。 ここから、彼女も魔法の世界に少しずつ足を踏み入れていくことになるわけですね。 |
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