「私が破滅の将を束ねる主幹、ダウニー・リード」



 ダウニーは、そう口にした。
 今まで聞いたことのなかった、ダウニーの本名。
 そして、その場にいる全員に主幹と呼ばれている。
 つまり。

「あんた、最初から破滅だったってわけかよっ!!」
「じょ、冗談だろ……おいっ?」

 そんな2人の声を無視して、ロベリアはダウニーに声をかけていた。
 鎧に先回りして、それが本物かを見極める。
 そして、ダウニーがさりげなく目的地への到着の時間を遅らせることで全ての準備が整っていた。

「おいっ! 何こっちを無視して話進めてやがるっ!?」

 そんな大河の声にムドウとシェザルは鼻を鳴らす。

「どーも、この獲物は活きが良すぎるみてぇだぜ」
「……黙らせますか」
「殺してはダメよ? この坊やには用があるんだから」

 ロベリアがそう口にして、大河を見やった。

「おい、大河……」
「来るぞ。気をつけろ、セル……こいつら相当強いぜ」
「知ってるよ……1人で王国の軍勢一個師団を全滅させたって言う……」

 正確には、オルドレイクがまとめて消してしまったわけだけど、間違ってはいない。
 みんながみんな、同じくらいの実力を持っているのだから。



Duel Savior -Outsider-     Act.64



「くそっ、頭数が……」
「おらおらおらぁっ! さっきの威勢はどうしたんだよぉっ!?」
「ふふふ……」

 大河はムドウとロベリアに挟まれて、猛攻を受けていた。
 血のように赤い剣を振るい、死者蘇生術(ネクロマンシー)を使うロベリア。
 その力は強大で、王国一個師団で敵わないのもうなずけるというものだ。

「ぐっ……うわぁ――っ!?」
「セルっ!!」

 シェザルが袖から飛ばしたナイフが右足に刺さり、崩れ落ちるセルの姿が見える。
 嬉しそうな笑みを浮かべたシェザルが悠然と近づきながら、背中から剣を取り出した。
 どこにそんなモン隠してたんだよ、とツッコミたいのはわかるが、却下である。

「く、そぉ……」

 大剣を杖代わりに立ち上がるが、両の足はすでにガクガクと震えている。
 右太ももからは血がとめどなく流れ、足元に血だまりを作り出していた。

「くっそ……どけぇぇぇ―――ッ!!」

 声を上げながら、トレイターを戦斧へと変化させていた。
 超重武器である戦斧は本来、地面を抉りながら敵を吹き飛ばす戦法を取るのだが。
 今回、大河はそれを横に振り回していた。
 アヴァターに来てから鍛えぬいた筋力と遠心力を武器に、戦斧を振り回す。
 身の危険を感じたのかロベリアは反射的にバックステップで距離を取ったのだが、

「……ぐあぁっ!」

 体重の重いムドウは躱しきることができず、巨大な戦斧による攻撃を受けていた。
 ムドウの腹部に刃部分が突き刺さったまま、バットをフルスイングするかのようにロベリアへと顔を向ける。

「らああぁぁぁぁッ!!!」

 遠心力を乗せた攻撃はムドウをロベリアのいる場所にまで回転させ吹き飛ばす。
 一直線にロベリアへと向かっていくムドウを放って、大河はセルを助けるためにシェザルへを向き直った。
 トレイターをナックルへと変えて、ジェットを吹き出させる。

「行くぞトレイター!!」

 一気に加速。
 大河が近づいてくることを感覚として捉えたのか、シェザルは軽く背後へ下がる。
 しかし、

「甘えぇぇぇッ!」

 ダンッ、と地面に左足をめり込ませると、そこを支点にしてその場で回転。
 腕が引きちぎられるような激痛を伴いながらも拳の先をシェザルへと向けた。

「ぶっ飛びやがれェェェッ!!」
「なにっ……ぐあぁっ!?」

 シェザルは拳を受け、背後へと直線的に言葉どおりぶっ飛んでいく。
 数メートルほど地面を擦らせて勢いが緩まるが、かなりのダメージを負ってしまったようで、動きを見せなかった。

「ざ、ざまぁみやがれっ!!」
「ハァ、ハァ……すまねェ、大河……」

 よく見ると、セルは派手に傷を負っていた。
 重症なのは右足だが、他にも無数の切り傷が身体中に刻まれている。
 大河も疲労が重なり、ともに肩で息をしていた。

「くっ……目が、かすむ……っ」

 相手は、起きてこない。
 起きるな、起きるなと、願いを込める。
 しかし倒れた3人の内、1人が起き上がった。

「ネクロマンシーの力を、侮らないことね」

 ロベリアだった。
 己の力をフルに使って、自身を蘇生したのだ。
 さらに、ダウニーやイムニティ、さらにはオルドレイクが控えている。

「く……くそっ」

 打つ手なし。
 そう思い、歯噛んだところで。

(……!?)

 ポケットから感じる、ごつごつとした感触に気が付いた。
 任務に行く際に、から譲り受けた乳白色の石。

 『強く、強く念じれば……奇跡が起こる………………はずだ』

 そんな言葉が蘇った。
 語尾の部分にいささか不安を感じるが……使うべきか?

 そんな考えに、思考を巡らせているときだった。

「召喚術を使うつもりか……? ふん、貴様のような者に行使などできはせん。あの男がなにか仕込んだようだが、付け焼刃のような召喚術では我らを打ち破ることなどできんぞ」
「なっ……」

 読まれていた。
 ポケットの石を感じ取ったのかはわからないが、黒めがねをかけたあの男の前では、動きようがなかった。

「……当真君」
「俺の名前を気軽に呼ぶんじゃねえ! この裏切り者」
「裏切り? それは違う」

 今までと同じ、学園にいたときのような声。
 彼の余裕めいた笑みが、勝利を確信しているように見えて、悔しかった。
 裏切りではない、ということは。

「破滅の民とは、先の白の主ロベリア・リードを祖先とする我が血族……そして我が配下」

 立ち上がったロベリアと、ファミリーネームが同じ。
 そして、今彼自身が言っていた、祖先という言葉。
 つまり。

「お前、千年前の白の主か!!」
「あら、頭が回るじゃない。その通りよ……千年前の救世主戦争で、裏切りによって救世主になれなかった、あわれなネクロマンサーさ」

 皮肉めいた笑みを見せて、ロベリアはそう口にした。
 そして、ロベリアを祖先とするダウニーは。

「最初から、破滅側だったんだな、あんた……」
「私は闇に隠れし王国の永遠の敵対者、『破滅の民』を統べる42代目総帥にして破滅軍主幹、ダウニー・リード」

 改めて、名乗る。
 それは王立フローリア学園の教師ではない、破滅軍主幹としての物言いだった。

「赤の主、当真大河よ。我が軍門に下れ」
「ハッ、誰が!? 相手を見て言いやがれよっ!」

 もちろん、大河の答えはNo。
 皆の信頼を裏切ることはできないし、自分自身が心から仲間と呼べる存在がここにはいる。
 だからこそ、

「テメェにへーこらするくらいなら、みんなまとめてぶっ潰してやるよっ!!」

 もはや余力は残っていない。
 でも、やらねばならない。
 みんなも、必死で戦っている。
 俺の帰りを待っているから。

「そう言うと思ったよ。しかし、それでもお前は我らが軍門に下らざるを得ない」

 ダウニーの表情には、余裕があった。
 計画として、大河の存在が不可欠だというのに、だ。

「理由は2つ。まず1つめは……」 
「うわっ!」

 ダウニーがそう口にした瞬間、背後にいたセルの姿が忽然と消えていた。
 赤の精と対をなす、白の精イムニティの逆召喚。
 いつの間に描いたのか、セルがいた場所には円形の魔法陣が淡く光を帯びていた。

「た、大河……すまねぇ!」

 姿を表したセルは、ロベリアとオルドレイクの間に転がっていた。
 動けないセルを蔑むように見下ろして、オルドレイクは足を軽く上げ、

「……がぁっ!?」

 セルの背中を踏みつけた。
 たまっていた空気をまとめて吐き出され、咳き込む。
 そして、首元には鋭い切っ先が突きつけられてしまっていた。

「くそっ……人質かよっ!!」
「古典的だけど有効でしょう」? 心を重んじる赤の主に、友人を見捨てることはできるかしら?」
「我はあまり好ましくないのだがな。人質など取らずともまとめて殺して、言うことに逆らえぬよう術を施せばよい」

 ふふふ、とロベリアは含み笑う。
 オルドレイクは踏みつけた足をひねりながら、口の端を吊り上げ笑って見せた。

「そして、もう1つの理由は……君の妹にある」
「なんだと?」
「まだ気が付かないの? 当真未亜こそは、私が見出した白の主」

 いい加減なことに聞こえるかもしれない。
 万が一本当だったとしても、それは絶対にさせやしない。
 未亜を大事に思うからこそ、大河はそう声を上げていた。

「そう、それこそが2つめの理由。君はここで殺されるわけにはいかない。なぜなら……」

 大河が死ねば、自動的に未亜が救世主となるから。
 戦って切り抜けようにも、セルが人質になっていて動けない。
 赤に選ばれる者は、正しい判断を下すことができない。
 心があるからこそ、情に縛られ行動を制限されてしまう。
 それが、今の状況だった。

「君の命は保証しよう。我らが軍門に下りたまえ」

 そう告げるダウニーを、大河は悔しげに睨み付ける。

 セルが人質になっていて、戦うこともできない。
 未亜が白の主だから、自分が死ぬことすらできない。
 オルドレイクに見破られているから、召喚術も使えない。

 手詰まりとは、このことを言うのだろう。

「それに、私は君に興味があるんだよ、当真君」
「あいにく、俺にはそういう趣味はないぜ」

 吐き捨てるように皮肉る大河。
 それに構うことなく、ダウニーはその理由を口にしていた。
 最初はオマケだと思っていた。イムニティが探し出してきた白の戦力や、新たな白の主の。
 召喚されるときに、その傍らにいたために偶然この世界にきたゴミのような存在だと。
 当真大河というイレギュラーのせいで、未亜はリコの召喚陣にやってきたのだ。

「今この場にはいない、 という存在……私は、彼を脅威に思っていた」

 事故のような形で召喚されてきた彼は、破滅のゴーレムをいともたやすく斬り捨てて見せた。
 ……脅威だと思った。今回の任務に来なくて、よかったとも正直思っていた。
 しかし、思いもよらぬところで新たな戦力の情報が入ったのだ。

 オルドレイク・セルボルト。

 を含めた仲間たちが戦い、死んだはずの人間をイムニティが破滅の民として喚び寄せた。
 その思想はさることながら、時空を強引に越えることで若返ってすらいる。
 彼のもたらした情報で、の用いる強大ともいえる力を……そして唯一の弱点を見出した。
 魔法的な攻撃にめっぽう弱いこと。
 オルドレイクやイムニティが一気に畳み掛ければ、無力に等しいこと。

「コレによって、彼への危険性は薄まった。つまり、君が……君だけが、危険なイレギュラーなのだよ」
「なら、なんで殺さない? この状況じゃたやすいだろうによ」

 それは、救世主になるためのプロセスに問題があった。
 彼女が自らの自覚のないまま救世主の力を手にした場合、間違いなく精神が崩壊してしまう。
 大勢の人々を殺して、殺して、殺し尽くすことで、純白の白としての自覚が生まれ、救世主となれるのだ。
 つまり今の状況で大河を殺してしまうと、白の主である未亜は精神崩壊を起こして使い物にならなくなる。
 計画がすべて水の泡になってしまうと、いうことだった。

 未亜を死なせたくない。
 でも、自分が死ぬことで未亜が苦しむことになる。
 もはや、手の打ちようがなかった。

「……俺の、負けだよ」

 そんな言葉に、ダウニーは満足げにうなずいた。

「その祭壇の上に安置されている救世主の鎧。あれを…………着てもらおうか」

 本来は着るべきではない、たまりにたまった怨念の塊。
 それを身に纏うことで、どれだけの危険があるかわかったものではない。
 でも、選択の余地はない。
 大河はふらつく足で鎧に近づいた。

「やめろッ、大河……やめろぉ――ッ!!」

 近づき、足を止めようとした瞬間。
 セルの声が響き渡った。
 渾身の力を込めて両手を突っぱね、踏みつけていたオルドレイクの足を浮かばせる。

「な、なにっ! この男……」
「……ぬうっ」

 セルは首筋に当てられた剣を無視して立ち上がると、猛然とダウニーに向かって走り始めた。
 首筋に深い傷を負いながらも、とめどなく血が溢れ出ているというのに。
 セルはただ走った。

「約束したんだ……大河を守るって約束したんだ!! 俺は……俺はぁッ!!」

 『お兄ちゃんのこと、守ってあげて』
 『俺からも……頼むよ。大河を守ってやってくれ』

 そんな2人の共通の思いが、セルを突き動かしていた。
 一目見た日から、彼女のことばかりを考えていた。 
 結局振られてしまったけど、今もまだ自分を頼ってくれている。
 自分のことよりも他人の安否を優先するほどに究極のお人よし。身体が消えかけているにも関わらず、その身を犠牲にしてまで戦い抜く。
 そんな自分にばかりリスクの多い考え方だけど、悪くないと思った。あいつなら、持てる力の全てを以って、みんなを守りきるだろう。
 そんな2人の、強い思いが。
 彼を奮い立たせていた。

「動くなァッ! 動くと、お前らのボスがおっちぬぜ!!」

 お前だけでも逃げろ、大河!!

 腰から短剣を抜きダウニーを羽交い絞めにするが、その場にいる大河以外から笑みが消えてはいない。
 今、自分たちのトップが命の危険に晒されているというのに、なぜ笑う?
 なぜならそれは。

「……気力だけでは、このいかんともしがたい実力差は埋まらない」

 うっとおしそうに手を一振りする。

「ガッ!」

 それだけで、ゼロ距離からの炎の魔術がセルを襲い、吹き飛ばした。
 ゆっくりと宙を舞い、背中から地面に叩きつけられる。
 肺を揺さぶられ、一時的な呼吸困難にさえ陥っていた。

「セルッ!」
「ゲホッ、ゲホッ……く、くそぉ……」

 そんなセルにダウニーは冷たい視線を向ける。
 死んだと思っていたからだろう。
 生きていることは、よかったと思う。
 でも、セルが死ぬ目に遭わされて、大河も黙ってはいられなかった。

「貴様……よくもッ!」

 消えかけていた闘争心に火が灯る。
 射殺さんばかりに強い視線が、ダウニーを突き刺した。

「時間をかければ、この男は助からない」
「……くっ、言う通りにしたら、こいつは助けてくれるんだろうな」
「……約束しよう」

 その言葉を聞いた大河には、迷いはなかった。
 足早に鎧に駆け寄ると、彼の手からトレイターが滑り落ち、乾いた音を立てた。

『召喚器……救世主……我を求めよ』
「しゃべれるのか、こいつは」

 頭に直接響くような、太い声。
 ずっと聞いていると、どうにもイヤな気分にさせられそうだった。

『我を……求めよ…………救世主』

 自分がこの鎧を着て、セルが助かるなら。
 自分の犠牲で、親友が助かるなら。
 なんでもしてやる。
 俺は、赤の主だ。こんなヤツに、負けたりなんかしてやるものか。

『無限の力を手に入れ、真の救世主たれ……』

 両手を広げて、ゆっくりと近づいてくる黄金の鎧。
 ……俺と、一体になろうとしている?
 それは、直感だった。自分を取り込んで、真の救世主として覚醒する。

『我を……もとめよ……救世主よ……』

 この、鎧は……

『世界を決めるものよ……1人、嘆きの野を行く者よ……』

 怨念に囚われているという、この鎧は……

『汝が……真に救世主たらんとするならば、それをなすべき力を……手に入れよ』

 いいぜ、上等だ。
 真っ向から戦ってやろうじゃねえか!

『我……汝に……』


 みんな……あと、頼んだぜ。


『無類の……力と知恵を授けん……』


 信じてるからな。


「ありがたく思えよな……お前を、受け入れてやるよ」

 そう口にした瞬間。
 鎧は瞬時に溶解。ゼリーでも作るかのように大河にまとわりつき、身体を包み込み始めた。
 目の前を、暗闇が覆い尽くす。

「これで世界は救われる。千年前に頓挫した、真の神の平和を実現することができる……」

 ダウニーの声が、遠くから聞こえてくるような気がした。
 すでにぼやけてノイズが入ってしまっているが、聞き取れる。

「破滅の民は、世界を滅ばす民に非ず……神の世界を不当に支配する、愚かな人のみを滅ぼすものなり」

 くだらない。
 ひどくくだらない。

「かつて世界は神のものであった。そして髪に支配された世界は完全で美しく、ひとかけらの悲しみも存在しなかった」

 なんだ、その自分たちが正しいといわんばかりの主張は。

「しかし、やがて世界には人が生まれ、人は世界を神の手から奪い、我儘に世界を犯しつづけた」

 まるで、人が全部悪いような言い草だ。
 ベリオとは違う、歪曲した神の信仰者なのだ、この男は。

「その結果、神の法則は崩れ、世界は破壊と不幸の悲しみに溢れ、滅びの道を歩むこととなった」

 神なんて見もできない存在に、陶酔している。

 やがて世界は崩壊を始めた。
 人々のもたらす破壊に耐え切れなかったから。
 それが『破滅』。世界が人間たちに発する断末魔の抵抗。
 それに対する希望が、救世主。
 滅びの道から世界を救い、人間に真の救いと平和をもたらす希望の光。

「今一度、神による完全なる世界を取り戻さなければならない」
「ね、寝言は寝て言いやがれ……」
「私の妹は、『人』に殺されたのだよ?」

 この世界が不完全なものだから。
 とある片田舎で暮らしていた彼らは、地方の貴族の慰み者にされ、兄妹で殺し合いを演じさせられた。
 祖先に出会い、力に目覚めるまで、彼も、彼の妹も。
 『人』の玩具だった。

「世界は狂っている。滅び、完全な世界を取り戻さなければならないッ」

 もし自分が同じ立場に立たされたら、と思うと、怖い。
 怖くてたまらない。
 唯一の肉親と殺しあうなんて……いやだ。

「人はどうしようもなく心が弱く、何も見ず、何も悟らず、愚かでありつづけた。だから、殺すしかなくなったのだ」

 愚かな者に、天の楽園への扉は開かない。
 来るべき真の楽園に住まうものは、真に英知で、強い者でなくてはならない。
 それが、白の理。
 白の書は物質の書。
 生存原理の法則を遵守し、世界にはびこるウイルスを駆逐する。

 彼らは、『人』を『ウイルス』と称しているのだ。

「自分1人では生きていけない者、必要なものを必要なだけ持てない者。そして、必要なものを必要以上に摂りつづける者。これら全てが、世界を蝕む存在だ。美しい神の世界にはふさわしくない」

 その言葉を最後に、鎧の内部で絡み合っていた見えない力が、大河と鎧をつなげきっていた。



「あと、頼むぜ……



 鎧を通して、圧倒的な強い意志が流れ込んできていた。

「ガァ……ッッ!」

 莫大な量の思念、映像。
 情報という情報が、大河の中を蝕んでいく。



「大河、大河ぁ―――っ!!」



 セルの声が無情にも、響き渡っていた。






名前変換ほとんどナシ(びっくり)。
なんか、名前変換の意味なさげですねえ……


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