「よし、カンペキ!」 最高のカードを引き当てた。 そう確信したのは真紅のエーテルが巻き上がり始めてすぐのことだった。 足元から魔法陣が展開され、地下室全体を吹き荒れる魔力の風。 部屋の隅に置いてある色んなものが壁に激突して壊れたりとか中の変な液体がそこいら中にぶちまけられたりとかしてるけど、そんなものは魔法陣の中心に立ち尽くす女性にとってはどうでもいい話だった。 なにせ、10年という歳月を経て、ようやく自分の力を試すときがやってきたのだから。 その女性はとても整った顔立ちをしていた。 長い黒髪をツインテールにし、赤の上着がよく似合う。 年の頃にして16,7歳といったところだろう。 街を歩けば、誰もが振り向くであろう整った顔立ちには今、笑みが浮かんでいた。 ・・・のだが。 「って、あれ?」 魔力の具現化した光の粒が舞い、それはもう今にも召喚されてきそうな勢いだったのだが、何一つ現れることなくただ荒れ狂う風が自分を中心に吹き荒れている。 ・・・おかしいな。 そう思うのも無理はなかった。 と、次の瞬間。 「・・・へ?」 いきなり、魔法陣が消えてしまった。 舞い踊っていたエーテルも消えて、静寂が自分を包み込む。 待ち望んでいた存在もいっこうに現れる気配もなく、きょとんとした彼女の耳に飛び込んできたのは。 どがぐしゃあっ!!! 頭上――つまり彼女の家の中から、なんか色々と壊れると音が聞こえてきたのだ。 「ちょっと、なによなに!? どーなってんのよ!?」 術式も、魔力も。 詠唱だってカンペキだったはずだ。 それなのに目の前には誰も現れないし、かと思えば頭上でなにか音がするし。 女性――遠坂 凛は軽く眉間にシワを寄せると、慌ててリビングへの階段を駆け上がったのだった。 「――――で」 階段を駆け上がりリビングへの扉を蹴り開けると、そこにいたのは自分と対して変わりない年齢の男性が床から頭を引っこ抜いたところだった。 あまりに思いっきり突っ込まれていたのか、引っこ抜いた反動で背後へ転がり、テーブルもろとも壁にぶち当たっている。 白いシャツにデニムの長ズボン。目を隠すくらいに長い前髪を額の真ん中で分けている。 「あんた何者?」 後頭部を強打して悶絶していた男性に話し掛けると。 「いつつつ・・・」 ゆっくりと立ち上がり、その赤い目を凛へとむけた。 「何者も何もないだろう。まったく、強引な召喚だな」 「召喚って、まさかアンタ・・・」 普通の一般人となんら変わりないその様相に、最初はただの不法侵入者だと思っていた。 もっとも、この家に侵入してくれば魔術で作った警報装置が知らせてくれるはずなのだと気づいたのは、つい今しがたのことだったりする。 男性は服についたホコリをポンポンと払うと、凛の前へと歩み寄る。 人当たりのいい笑顔を向けると、 「『ブレイカー』のサーヴァント、召喚に従い参上した」 本来存在しない 「貴女が、俺のマスターか?」 『破壊者』の名を冠するサーヴァントが、なんだか妙にのほほんと笑っていた。 はははは! ためしに書いてみたFate夢! なんだこれ!? 変すぎるし!! 笑ってやってください。連載する気もないくせに雑記でこんなん書いてます。 こんなのをたま〜に書いてみるのも、悪くないかもしれませんね。 だっははははははは!!!(大爆笑) ※Chronosさまに先日頂いたFate設定を、使わせていただきました。 ブラウザバックよろしくです。 |
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